浜松市中区・髪とカラダのトータルケアサロン

これからの時代の美容師の働き方

野口飯尾さんは以前スタイリストとしてバリバリ働いてて、出産・子育てで数年間ブランクがあったと思うけど、元々落ち着いたら復帰するつもりだったんですか？

飯尾そうですね。子育てをしながら働いてるスタイリストの人たちから直接話を聞いていたので、「大変だろうな」とは思ってたんですけど、それでもやっぱりこの仕事を続けたかった気持ちが大きかったですね。

野口そうだったんですね。飯尾さんは特に美容職への情熱が強い方だったので、「いずれ復帰されるんだろう」と思っていましたが、現実として子育てと仕事をうまく両立しながら働くのはなかなか難しいんじゃないですか？ いざ復帰してどうですか？

飯尾もちろん不安はありましたけど、いざsheepに戻ると、基本的な勤務時間のことも相談に乗っていただけたし、子どもの行事ごとや急な風邪のときも融通を利かせていただけて、本当にありがたいです。形だけじゃなくて、スタッフのみんなやお客様にも理解してもらえてるってことが伝わってくるので、そういう部分でもすごく気持ちが楽ですね。

野口それはよかったです。sheepでは復帰キャリアのことも視野に入れて、みんなが働きやすい環境にすることに力を入れていきたい、さらにより良くするためにも、どんどん意見を聞かせてほしいですね。

飯尾ありがとうございます。それでいうと、復帰後は技術面でもブランクがあって練習もなかなか追いつかないんですけど、休日もサロンを使わせてもらったりしてるんで、その面でもありがたいですね。単に働く時間の調整だけじゃなく、技術面でもバックアップしていただける環境があると心強いです。

野口なるほど。そういうことが当たり前になっていかないと、これからの時代は全員が自分らしく働いていくことが難しくなっていくと思いますね。もっと働き方や環境づくりを整備していかないと。キャリアパスや評価制度をしっかりと制定しているのもそういう意味合いが強いですね。復帰キャリアの人もそうだし、まだ若い世代のアシスタントやこれから働き始める学生にも、自分のキャリアプランを意識してもらいたい。それが夢を叶えられる手助けにもなれると思うし。

飯尾私のような復帰組にもキャリアパスがあるので、安心して復帰できました。多分同じように不安を感じている人たちはたくさんいると思うので、明確に制定されてると復帰を具体的に考えられると思います。あと、評価制度の項目もきっちり示されているから、働いてても現時点で何を求められているのか、何を重点的にすべきなのかもつかみやすいですね。

野口それは大きいですね。キャリアアップってどの段階でも、個々にとっては常に初めてだから、各段階で目指すべき指針がないと続けるのが難しいと感じたんです。ただガムシャラに頑張ってるだけで、どこを目的地にしているのかわからなくなってしまったらもったいないですし。オーナーとしては、そのあたりの舵取りや地図を明確に見せてあげないとね。

飯尾大抵のサロンは数字（実績や売上）だけで評価することが多いですよね。でも、シープはそこだけじゃなくて働くスタンスや意識もちゃんと見てくれて評価にフィードバックされるので、やりがいを実感できるし、自信も持てる。モチベーションも維持しやすいと感じました。

野口そうですね。みんなはじめは志高く、夢を持ってこの業界で働き出すけど、いつの間にかモチベーションを失ってしまうのはよくあること。そうなると本来の夢を叶えるのは難しいし、美容業界で働く意味も薄れてしまう……。sheepではなるべくそうならないようにしてあげたい。そうなると人それぞれにあったキャリアパスを進めるのも大事。だから自己裁量性も重視してますね。

飯尾働きかたや人生設計も多様化すると、お店で身につけたい技術や知識も人それぞれに違ってきますもんね。自由度の幅が広いと、やりたいことにチャレンジできるチャンスも多そうです。

野口一般企業の多くは働き方に目を向けているし、美容業界も遅れをとってはいけない。sheepで働いてくれているスタッフにも自分が持った夢に対してやりがいを感じてもらいたいですね。飯尾さんはやりがいってどんなところに感じますか？

飯尾やっぱり一番うれしいのは、お客様がキレイになって喜んでくれることですね。それはこの仕事をはじめた時からずっとそうです。

野口一番大切なことですね。お客様はそれぞれ何かしらの悩みを抱えていて、それを解決できたり、いい方向に変わってるのがわかると嬉しいですよね。

飯尾髪やお肌のことでも、何かアドバイスや提案をする時、やっぱり自分自身が知識を持ってないといけないから、自然と美意識が高くなっていくんですよ。それもすごい嬉しいです。無意識的な相乗効果ですけど、そうやって自然と美を追求していくと、気づけば成長している。やっぱりお客様の喜ぶ姿がすべての原動力になっていますね。

野口すごくいい意識だと思います。ちょっとした会話からお客様の悩みがわかって解決に導いてあげられることもありますしね。でも中には、美容の領域ではどうしようもできない事もあるんですよね。医療というと大げさだけど、食生活や生活習慣など健康に対するアドバイスなんかも必要に感じています。それが最終的に美容に繋がってくるし、これは切っても切れない関係。これからの時代は、お客様も美容師たちも100年時代だから、働き方も美容の考え方も、もっと長い目で考えていかないとね。自分自身も健康でないと、そもそも働いていけないからね。

飯尾お客様に「健康美が大事！」って言ってて、私たちが不健康だったら元も子もないですもんね（笑）

野口そうそう（笑） 僕らも身をもって実感しないと、説得力もないし。

飯尾健康の領域も含めた美容という視点では、なかなか他のサロンでそこまで本質的かつ広範囲に勉強できないですよね。技術はもちろん大事ですけど、それと同じくらい技術以外の必要性がどんどん高くなってきてる気がします。本質的な問題を見つけ出す力と、その問題を解決策するための知識力や提案力。それらはシープだからこそ身に付いてると思います。
そしてお客さんがココロから、カラダからきれいになっていくのを見てると「ああ、この仕事しててほんとによかったなー」って実感しますね。

野口これらの動きは、シープだからではなく、今後の美容業界の底上げとして、美容に携わる「いち美容人」として絶対必要だと思ってます。だから僕は、働き方も含め、夢に向かって本気で勉強できる環境づくりをどんどん進めることが今後の大きな課題です。